睡眠障害は、2005年の睡眠障害国際分類第2版（現在は2014年より第3版）によれば、８つの範疇に分類されています。そのうちの一つが不眠症になります。

　不眠症とは、睡眠の質や量が十分得られない状態で、日中の眠気、倦怠感、集中力の低下、作業能力の低下、居眠りなどを伴います。成人の２０％程度の人が不眠を訴えるという報告もあります。

　不眠の原因として、以前は５つのＰ（身体的原因（Physical）、生理学的原因（Physiological）、心理学的原因（Psychological）、精神医学的原因（Psychiatric）、薬理学的原因（Pharmacological）の頭文字のPを取る）がよく取り上げられてきました。最も頻度の高い不眠症は、精神生理性不眠症（いわゆる不眠症）となりますが、うつ病や統合失調症などの精神疾患によっても不眠症の症状は現れます。

　症状としては入眠障害（寝つきが悪い）、中途覚醒（何度も目が覚める）、早朝覚醒（朝早く目覚める）、熟眠障害（眠りが浅い）を呈します。

　不眠症は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。